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烏野猛

Author:烏野猛
介護事故裁判やリスクマネジメントの講演には定評があり、これからの社会保障や、社会福祉をめぐる「年金」「医療」「介護」の将来予測については、全国からの講演依頼があとを絶たない若手研究者。
2000年の介護保険制度導入後、介護業界での規制緩和に対抗するスタイルで福祉リスクマネジメント研究所を設立。「社会保障法」「社会福祉法制」の専門家であり、「福祉・介護」と「法律」の両方がわかる研究者。

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今回の災害から学ぶべき教訓…高齢者施設の場合には

「忘れたころにやってくる…」といわれる自然災害ですが、ここ数年を考えても、あまりに災害の来襲が多く、逆に覚えていられないほどです。たとえば…
・ 5年前の広島市土石流災害
・ 4年前の茨城県常総市鬼怒川決壊による大水害
・ 3年前の熊本地震
・ 2年前の九州北部豪雨
・ 昨年は、2月の福井市内の大豪雪、7月の西日本豪雨、9月の北海道地震
・ 今年は、6~8月の九州南部・北部での大水害、9月の千葉市大停電…


…と8年前の東日本大災害以降、ほぼ毎年と言っていいほどの自然災害に見舞われているわけです。
ここ最近の全ての災害にかかわった者としては、「災害が進化している」ということです。進化しているというよりは、対策を図る我々にとっては、過去の防災対応が通用しない、免疫が効かなくなった、という感覚があります。

災害が千変万化している関係で、昨年作った防災マニュアルが通用せず、想定外の出来事ばかりになっている、という感覚です。

例をあげれば、老人ホーム等高齢者施設は、福祉避難所(2次避難所)になっている関係で、避難よりも「籠城」を強く勧め、最低3日間耐えられるだけの備蓄品等の確保を提唱してきました。
ですが、今回の千葉市を襲った台風15号にともなう大停電では、3日間どころか1週間~10日間以上にも及ぶ「夏場」での大停電となったものですから、本来であれば助け合うべき施設間であったとしても、そのエリア全体が停電に襲われたことから、土砂災害であれば、被災していないエリアからの施設が支援を、河川の氾濫による被災であれば河川から離れた被災していない施設からの支援が期待できたわけですが、今回は助け合うべき施設同士が同じように被災してしまった…。

かつ、河川氾濫にともなう水害や土砂災害による土砂の侵襲、地震による倒壊等であれば、施設職員や地域住民による協力を経ながら、概ねの手順や行程が読めるのですが、今回の千葉市のような大停電となると、大手電力会社による復旧を待つしかなく、時間が読めないままで避難や避難のための移動が遅れてしまったという点が、これまでの大規模災害とは性格を異にする部分です。

つまり、大規模災害という名でイメージされるような、瞬間的に死者が数十人…というパターンで、関係者の間で一気に緊張感が走る、というものではなく「とりあえず死者はおらず、電気の復旧を東電の情報から待つ」という状況だったものですから、それも9月に入ったにもかかわらずこの猛暑のなか、熱中症で体力を奪われていく利用者・職員が「徐々に出始めた…」というパターンだったことから、全体的にも支援が遅れたものと私は分析しています。

過去の大規模災害の特徴でいえば、24年前の阪神淡路大震災、8年前の東日本大震災含め、発災が冬期でありました。しかし、今回は真夏に近い夏期での長期にわたる停電というのは、初めての経験なわけです。

過去の大規模災害から停電を想定した「発電機」や「蓄電池」の備えを唱えてきたわけですが、今回の千葉市を中心とした大停電では、発電機や蓄電池の能力を超えた、「エアコンが使えない」というじわじわと死に至る熱中症に対応できなかったことが最大の特徴だったといえます。

今回の千葉市に代表されるような長期にわたる大停電では、発電機や蓄電池では対応できなかったことから、職員を含めた自家用車でのエアコンの使用による利用者の熱中症対応、いざというときの他県への移動、という点でも「燃料が満タン状態での車の使用」が最も効果的でした。

これからの台風による豪雨、暴風から起こる大停電への備え、という視点としては、以下のように整理できるでしょう。
・台風による大停電、という場面を考えた際、基本的には6~10月の夏期になることから、今回の千葉市周辺の例を教訓に考えると、停電解消の目途が不確定と判断した場合、熱中症対応が急務となることから、通電している他市町村・他府県の施設へ利用者を車で移動し、他施設へ受け入れてもらう、という展開が重要になります。地震や土砂災害時による道路等の崩壊とは違い、移動はある程度容易なものであると思いますから。

・自施設で3日間を乗り越える、という籠城型を採りながらも、電気復旧の目途が立たない場合、被災施設では「10名ほどの施設の高齢者を他施設に受け入れてもらう場合、利用者の情報をどう相手施設に伝えるのか?」、「被災した施設職員からの同行は可能なのか?」という発想と訓練が必要になる。一方で、「受け入れを期待された施設」では、「何人までの利用者であれば、受け入れ可能なのか?」「受け入れる際、利用者の情報はどこまでが必要で、何を準備して持参してきて欲しいのか?」を平時の際から考えておく必要があります。

・くわえて、夏期の大停電という意味では、ドアや窓を締め切ったままで対応できる冬期での対応とは逆で、風の通りや換気等を考えた際、それらを開放し続けなければならないことからくる「防犯上のリスク」も同時に考える必要があります。
老人ホーム等介護事業所は、利用者、職員とも圧倒的に女性が多い職場環境であることを再度確認すべきでしょう。

猛暑のなかの大停電

東京電力によると、今月27日以降に完全復旧のところもある、という規模での今回の大停電…。
政令指定都市の千葉市を含む千葉県民としては、大変な先週だったと思います。

私も台風15号が関東を直撃する直前から千葉市におり、北関東、そして東北と移動距離が長いこの一週間でした。

到る所から、「停電の備えは…?」と尋ねられる度に、「―残念ながら、今回は、蓄電池でも間に合うような災害ではなかった…」とお話しています。

3日以上という時間的な長さもさることながら、この暑さです。
まるで意地悪をしているかのような9月に入ってからの35度越えの厚さには、扇風機どこではなく、民族大移動を伴う避難の仕方しかなかったと思います。

とくに老人ホーム等では、福祉避難所になっている関係から、籠城を是とした対策を私も展開・強化してきたつもりでしたが、暑いさなかでの大停電を伴う大規模災害には、「自家用車が最高の防災備蓄品である」ことが立証されたと思います。

避難弱者を暑さから守り、そして避難(移動)する、ということを前提とした防災対策ですね。
私自身、福祉避難所である老人ホーム等には、籠城に力を入れ過ぎていた点を反省しながら、次への災害に備えたいと思っています。

夏場の大停電が引き起こすもの…

9月ももう上旬が過ぎたといいますのに、この時期には異常なほどの猛暑が続きます。
先日の台風15号で、千葉市を中心に関東一円、約100万戸ほどが停電となり、その被害は3日が経ったいまも続いています。

そして、くしくも今日は、ちょうど4年前、茨城県常総市で鬼怒川の堤防が決壊し大きな被害を受けた日でもあります。

数年ごとに、最近では、ほぼ毎年のように発生する大規模災害…。
そしてその災害は、過去の教訓が活かせないほどに千変万化し、形態を変えながら襲ってくるものですから、いつも後手後手の対応に追われる毎日です。

ブログでも何度も強調しているところではありますが、「3日間の停電と、断水」に備えながら、この3日間の停電と断水に対応できるような介護技術の工夫や、介護のあり方が問われてくると思っています。
とくに、この夏場に近い時期の大停電となると、エアコンが機能不全に陥り、また断水のため十分な水分も補給できなくなります。
冬期の災害とは、また困難度が変わってくる事態となります。

いまも、フィリピン沖では、台風が続々と発生しているようですから。

今日も、災害支援の取り組みに精を出してまいります。

「普通であれば…」という考えが…

「―普通であれば、こうだよな…」という予測がつかない時代になってきました。
韓国が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決定し、アメリカ大統領は中国への追加制裁を発動し、イギリスも合意なきEUからの離脱に一直線です。

「―普通であれば…」
韓国が我が国との軍事情報包括保護協定を破れば、アメリカの信頼を失い、韓国にとってはそれをもっとも避けたいこと…だと考え、行動するのが、普通の感覚…。
アメリカも、当初は中国への牽制と考えられ、ある程度のところで落としどころをつけた行動をとる、と政治・経済アナリストは踏んでいました。
イギリスにしても、EUから合意のない離脱となれば、ポンドの下落だけではなく、大混乱に陥ることから最後の落としどころで危機は回避できる、と考えられてきました。

しかし…

結果はすべておおよその希望や期待を裏切り、いまの事態となっています。

ですから、「これまでの普通」という感覚や考え方が通用しない時代に突入しているものですから、私たちは、介護現場においても、またプライベートな施設活においても、「普通であれば、相手はこういう対応をしてくるはず…」という想定は、あてにならず、生きにくい世の中ですが、最悪のリスクヘッジを考えたマネジメントが必要になるということです。

結果、私たちは、私たち個々で自己の能力やスキル、キャリアを向上させ、どんな時代になったとしても、生き残れるだけの力をつけておかなければならないということです。

9度目のお盆…

東北では、9度目のお盆です。
このお盆で、会いたい人が戻ってきて、それで癒され、また勇気づけられる人がいるのであれば、この時期を大事にしたいと思っています。

私はと言えば、毎年のことですがこの時期、籠っての仕事をしております。
神が降りてくるほどの勢いで、私がやるべき役割の仕事をやりたいと思っております。

大型の台風が九州、西日本と接近してきておりますから、皆さんも停電等の備えを万全に!!!