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烏野猛

Author:烏野猛
介護事故裁判やリスクマネジメントの講演には定評があり、これからの社会保障や、社会福祉をめぐる「年金」「医療」「介護」の将来予測については、全国からの講演依頼があとを絶たない若手研究者。
2000年の介護保険制度導入後、介護業界での規制緩和に対抗するスタイルで福祉リスクマネジメント研究所を設立。「社会保障法」「社会福祉法制」の専門家であり、「福祉・介護」と「法律」の両方がわかる研究者。

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「続ける」とこの意味…敬愛する施設長の退任…

 昨年からの被災地調査のお仕事で分かったことでもありましたが、宮城県から被災した施設の高齢者を積極的に受け入れたのが、山形県でした。

 その山形県で、社会福祉法人の素晴らしい施設長とお会いしました。まだ数カ月のお付き合いではありますが、まだまだ成長の足りない私としては、親父のような、また目指すべき理想の男のような存在の方です。

 その施設長から、数日前に「総施設長を退任し、後進に委ねる」というメールを頂戴しました。

 複数の施設をもち、素晴らしいスタッフを養成してきた現在61歳の施設長です。
 「ーその方らしい…」とは思ったほどの潔さと引き際の清らかさ…。

 来週の4月2日に、30年間の勤続を表彰する会があるということですが、その施設ではこの施設長を含め30年勤続表彰を受ける方がなんと7名も…!!! 

 30歳で生活相談員として入職したそうです。この30年間に、措置から介護保険への変化と、介護保険が始まってからのこの激動ぶり…。本当にいろんなことがあったと思われます。これは私の想像ですが、辞めようと思ったこともあったでしょうし、腹が立って眠れない日もあったでしょう。そして今回の大震災では、心が張り裂けそうな夜もあったと思います。
 
 施設長ご本人了解をとっていないのですが、私が頂戴したメールのフレーズです。

「『もっとやってください』と、職員は言いますが、『私企業ではない、同族でやるものでもない、福祉事業は志ある人が束になってやるものだよ』」

 今の世の中には、いくつになっても権力という名の椅子にしがみつこうとする人、トップでありながらもトップとしての品格や素質が備わっておらず、心ない言葉で部下を痛めつける人の方が多いものです。

 今日で今年度も終わりを告げます。
 明日からは、新年度です。

 皆さんの多くが、明日から。また明後日からの4月を迎えることになると思いますが、先の私が敬愛する方のように、「続ける」のもまた一つです。「辞める」というのではなく。

 私は…。私は続ける方を選ぼうと思っています。「自分の思い通りにならない、トップが無能で物事がよく分かっていない。冷遇されている…」という理由で、次なるステージに代わることも私は良いと思っています。

 ですが、先ほども言いましたように、どこに行っても分からず屋で権威主義なトップ、そのトップにごまをスリスリする上司は幾らでもいるものです。

 ですから「続ける」ことを選んで、「変える力」になりたいと思っています。

 先ほどの施設長に指導された部下たちは、本当に幸せだと思っています。その方のいる施設にも見学に行き、スタッフとも話をしたのですが、部下がその施設長を見る目が違う訳です。「敬愛」と「信頼」のまなざし、とでもいいましょうか。そういう視線をおくる者を見るのも私は初めてでしたし、そういう視線を私は部下から受けたことはありません。

 ですが、最高の上司やトップに巡り合えるなんて、砂浜で小さな小石を見つけるのと同じくらいの確率で巡り合わないわけです。なので、皆さんがそこにいて、素晴らしい上司やトップになってもらいたいと思っています。

 「そこまで待つ時間がもったいない、って…??」

 それは違います。引き際を見誤った愚かなトップや、自分の虚栄心しか考えていないトップは、皆さんよりもかなり年上なはずです。
 彼らの方が皆さんよりも確実に先にいなくなりますので。

 だから、大丈夫です(悪い奴や厚顔無恥な奴ほど長生きするとは言いますが、それも含めて乗り越えましょう)。