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烏野猛

Author:烏野猛
介護事故裁判やリスクマネジメントの講演には定評があり、これからの社会保障や、社会福祉をめぐる「年金」「医療」「介護」の将来予測については、全国からの講演依頼があとを絶たない若手研究者。
2000年の介護保険制度導入後、介護業界での規制緩和に対抗するスタイルで福祉リスクマネジメント研究所を設立。「社会保障法」「社会福祉法制」の専門家であり、「福祉・介護」と「法律」の両方がわかる研究者。

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うーん、どう考えるべきか…やはり現状ではやはりそうか…

 今日、大阪市内の自宅で昨年の夏に姉を刺殺したとして、殺人罪に問われた無職でアスペルガーの弟に対する裁判員裁判の判決が大阪地裁で下されました。

 その判決で下された量刑は、検察側が16年の懲役を求めていたのに対し、求刑以上の20年を言い渡したことに特徴があると思っています。

 判決の中で裁判官は、「家族が同居を望んでいないため障害に対応できる受け皿が社会になく、再犯の恐れが強く心配される。許される限り長期間、刑務所に収容することが社会秩序の維持に資する」と言い渡しました。

このアスペルガー障害を持つ弟は、小学5年のころから約30年間引きこもり状態で、生活の面倒をみていた姉に逆恨みを募らせ殺害を決意し、市営住宅の自室を訪れた姉の腹などを包丁で何度も刺し死亡させたという残虐かつ恩知らずな行為です。

 この判決でいうところの「社会秩序の維持」という表現に違和感を持たないわけではありませんが、学会等ではいまだに完全に否定されると思いますが、社会保障の機能が「治安の維持」にある側面も持ちあわすと考えている私ですから、たしかに「反省」や「恩を感じる」という感情が薄く、逆にこのような状況になったことを逆怨む傾向があるアスペルガーな殺人者に対して「長く塀の向こうにいること」を強制することもアリだとは思っています。

 次の被害者がでないうちに…という発想もありますが、アスペルガー症候群で判断能力に疑問がもたれた場合、責任能力が問えない場合も考えられますので…。

 本人も辛いでしょうが、こんな弟を捨ておけず世話をし続け、そして逆恨みで殺された姉や家族の不憫なことを考えると、いっそのこと「…生まれてこなければよかった…」と思った方がいいんでしょうか…。

 いまの障害者施策や、法制度の限界のなかでは、…やはり悩みますね。
花火