FC2ブログ

プロフィール

烏野猛

Author:烏野猛
介護事故裁判やリスクマネジメントの講演には定評があり、これからの社会保障や、社会福祉をめぐる「年金」「医療」「介護」の将来予測については、全国からの講演依頼があとを絶たない若手研究者。
2000年の介護保険制度導入後、介護業界での規制緩和に対抗するスタイルで福祉リスクマネジメント研究所を設立。「社会保障法」「社会福祉法制」の専門家であり、「福祉・介護」と「法律」の両方がわかる研究者。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード

「防災マニュアル」 おわりに の部分

さて、あれだけ自分を追いつめておいた「防災マニュアル」の「おわりに」を載せておきます。
ここまで自分を追いつめれば、かなり勇気のいることですが…。

おわりに
 本防災ハンドブックは、社会福祉施設における「災害マニュアル作成の手引き」的な要素が強いものですが、岐阜県という地形的な要素から、地震による津波被害を除いたものとなっています。ですが、山に囲まれた施設も多くあると思いますから、河川の氾濫や土砂災害、ゲリラ豪雨等への備えは、津波被害による防災環境と似たものが考えられます。

 皆さんの社会福祉施設では、大規模災害時において、おそらく太平洋岸に位置する被災施設からの利用者や職員を受け入れる施設としての役割が期待されます。その際、直接的なダメージを被らなくとも、より冷静で的確な指示のもと、被災エリアの復興の手助けをしなければならないことを考え合わせると、十分な「備え」が必要となってきます。

 さらに、施設系での災害リスクは、職員の働き方という点で困難を極めるものの、在宅系の災害リスクに比べるとパターン化でき、いまからの「備え」についても準備が可能であると考えられます。福祉避難所なり、「受け入れを期待される施設」という場合、施設内では想定すらしていなかったような問題が、地域から舞い込むものです。そのようなことも考え、5章 備考 のところで在宅での要援護者の実情を追加しました。このような在宅での実態を踏まえたうえで、自施設での災害対応力を向上させ、同業種ごとの連携から利用者にかかるストレスを最小限に抑え、かつ異業種同士であったとしても、地域での連携が図れるような「備え」が、必要になるわけです。

 本防災ハンドブックは、模範解答的な、答えを求めるようなスタイルではなく、それぞれの社会福祉施設における立地条件や設立年の違い、職員構成や利用者の年齢、障害の程度等が異なりますので、皆さんの施設にとって、もっとも困難であると思われる災害と時間、条件等の場面設定を行い、施設独自の防災マニュアルを作るための「気づき」と「課題」を発見するためのものです。
 
 施設としてのマニュアルの完成度が高くても、実際に起きるであろう大規模災害時に役立たなければ、まったく意味のないものになってしまいます。

 繰り返すようですが、模範的解答や、ありきたりの答えではなく、このハンドブックを利用して頂き、皆さんの福祉施設で、「何がどこまで準備できていて」、「何が不足しているのか」、「その不足を満たすには、何が必要で、どこに限界があるのか」を気づき、自施設では限界のあることを、他事業種や地域で賄うことができるのか、について考えて頂く訓練を目的にしています。
                                                                       以上