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烏野猛

Author:烏野猛
介護事故裁判やリスクマネジメントの講演には定評があり、これからの社会保障や、社会福祉をめぐる「年金」「医療」「介護」の将来予測については、全国からの講演依頼があとを絶たない若手研究者。
2000年の介護保険制度導入後、介護業界での規制緩和に対抗するスタイルで福祉リスクマネジメント研究所を設立。「社会保障法」「社会福祉法制」の専門家であり、「福祉・介護」と「法律」の両方がわかる研究者。

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いつか必ずくる、まさかの大災害 特養で避難…?! 

これまで、大規模災害時での特養をはじめとした施設系では、避難するのではなく、籠城するつまりそこに留まった方が賢明です、とお伝えしてきました。

ですが、2年前の2013年9月中旬に大水害をもたらした台風18号で、真夜中に避難した特別養護老人ホームがあるということで、昨日、お話を聞かせてもらうため馳せ参じました。

1階建て平屋の特養で50床とショートが8人という建物でしたが、2013年9月16(月)の午前2時45分頃、近くの1級河川が危険水域にあるという情報から、午前3時過ぎに500mほど離れた小中学校の体育館に約12時間避難した、というケースでした。

その日の当番だった主任ケアマネさんが、陣頭指揮をとったわけですが、携帯電話で施設長に電話するもののつながらなかったため、当時の夜勤者らと相談の上、デイやショートの送迎車で何回もピストンし、午前7時には避難を完了させたというお話でした。

「避難所までのピストン中に、河の堤防が決壊し濁流が流れ込み、送迎車が横転したら…」
「避難途中に、土砂災害により道が寸断され、孤立してしまったら…」
「送迎車にどんな資格をもつ職員を同乗させるのか…」
「結果として12時間ほどの避難所での待機であったが、これが3日間以上続いていたとしたら…」

結果としてうまくいったものの、後から考えると、ヒヤッとすることも多い、とお話くださいました。

最後に、何が今後の教訓となったか、についてお聞きしたところ、「地域住民の方が、多く駆けつけてくれ、傘をさして送迎車から体育館までの距離を濡れないようにしてくれた」であるとか、「最終的に上司に避難の確認と指示を仰ぐことができなかったが、もしそこで何かトラブルがあったとしても、上司の判断ということで、守ってもらえるという安心感と信頼感があった」という言葉が印象的でした。

「今後の備えについて、2年前の教訓から、マニュアルや対策は完璧か…?」との問いかけについては、そこままだ十分ではないかも、という返事も頂きました。

きっと、人間関係や狭いエリアで長く勤めている職員が多いほど、人的なつながりでの解決や、職人芸的な能力をもつ何人かの上司によって、ある程度まで指示・解決まで導けるため、マニュアル等システマティックな事後的対応をしなくても済むという、恵まれたリスクがあることも分かりました。

「前日の夕方や夜までの情報等から、ここまでの水害が予測できましたか?」という問いかけには、「まさかここまで来るとは…」というお返事でした。同じ言葉は、東日本でも、また広島でも、後からの聞き取りのなかで聞かされた言葉でした。

いつか必ず来る、まさかの大災害に、私たちがどう備えるのか、常に備えなければなりませんね。

人生