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烏野猛

Author:烏野猛
介護事故裁判やリスクマネジメントの講演には定評があり、これからの社会保障や、社会福祉をめぐる「年金」「医療」「介護」の将来予測については、全国からの講演依頼があとを絶たない若手研究者。
2000年の介護保険制度導入後、介護業界での規制緩和に対抗するスタイルで福祉リスクマネジメント研究所を設立。「社会保障法」「社会福祉法制」の専門家であり、「福祉・介護」と「法律」の両方がわかる研究者。

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描く絵が違う…

5月のGWが過ぎたころから、大津の園児交通事故といい、川崎の私立小学校通り魔事件といい、そして元事務次官の息子殺傷事件といい、一つ一つの事件を検証し、考える暇がないくらい、バタバタとした国内でした。
それに加えていくつかの高齢者施設での虐待死亡事件が重なったものですから、取材や投稿やらで、いまも落ち着いた気がしない日々ではありますが…。

上記の事件についての私の考えは、また次の機会にと思っています。一点、気になっているところがあるものですから、それが解ければ、考えがまとまるように思います。

さて、話題を変えまして、先月半ば、自民党が「失言防止マニュアル」を作成・配布したことが話題になりました。
その配られたペーパーのなかに、聴衆に向けた演説の心構えとして、関西のバラエティー番組のやりとりを参考にするよう求めた「聴衆を参加させる『関西準キー局型』演説」(準キー局とは、大阪にあるキー局に準ずる立場の放送局 例 読売テレビ、関西テレビ、毎日放送…)ものなどもありました。

「―とうとう、関西のお笑い口調が、政治家にまで参考にされるようになるとは…」という思いですが、人を飽きさせない、という意味ではいいかもしれません。
ですが、「心に残る」、それも何年もにわたり、心に響き言葉を発する・伝えるということは、難しい芸当です。

そうなんです。「人に伝える」ということは、非常に難しいことなんです。
「伝える」といってもいいでしょうし、「説明」といってもいいでしょう。
何度も伝えているのにもかかわらず、相手に伝わらないこと…。
血のつながった関係であっても、一つの言葉が真逆にとられることもあるわけです。

ましてや、職場内での人間関係では、持っている資格も違えば年代も違うわけですから、逆に一言で分かり合えるわけなどないわけです。

ここ最近、介護施設などでも、利用者本人ではなく、その家族への対応に困っているケースの相談が非常に多くなっています。
モンスターなクレーマー家族、といったところでしょうか…。
対応策はいくつかありますが、これは講演等でも繰り返しお話ししていることです。

「何を話しても、分かってもらえない」相手というのは、あなたがその相手が望むであろう言葉を発しなかった、ということにつきます。
その結果、先日のことですが、佐賀県嬉野市が市内に住む50代の男性に対し、市長名で一部を除く市役所での窓口対応を拒否する通知を出すまでに至りました。
具体的には、市長名で出された文章には、「貴殿の市に対する質問、意見などは、回数、所要時間、内容において、市の業務に著しい支障を与えてきた」とあり、これに対する市への質問は文書に限り行い、住民票や戸籍、保険、年金の窓口交付以外の対応は文書の受け取りだけに限り、電話には一切応対しない、というものです。

行政側のあるまじき行為…とは思っていません。
このタイプのクレーマーにあっては、職員に対する業務妨害という罪での対処が妥当と思っています。

では、なぜここまで関係がこじれてしまったのか…?
それはそれぞれが描いている絵が違うからです。

「ガソリンスタンドに一台の車が入ってきました。その車の後部座席には、5歳の子どもが乗っています。」
皆さんは、この一文をみて、頭の中で絵を描いたはずです。

さて、皆さんが描いた絵では、この5歳の子どもは、男の子でしたか? それとも女の子? 
また、入ってきた車は軽自動車? それとも高級外車?

もう少し話を複雑にすれば、あなたのイメージの中でまた絵が変わります。
「その車を運転していたのは元彼女で、後部座席にいる5歳の子どもは、あなたの子です。子どもはそのことを知りません。」

となると、また頭の中で描く絵が変わっていくわけです。

つまり、同じ事柄、同じ事件であったとしても、それぞれに描く絵が異なるわけですから、話が正確に合うわけはありません。

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